ロシアは近くて遠い国です。亦、ロシアは、未だ我が国領土を占領した侭、返還することも無い、謂わば、仮想敵国なのです。さすれば、この国の心性を学ぶことは、我が国防衛の為にも重要なことではないでしょうか。然し、日本人が外国研究を行う場合、ともすれば、当該国のエピゴーネンになってしまうきらいがございます。私たちは、是非とも、そうしたことは避け、我が国存続の為に近隣諸国を学ぶという態度を堅守したいものです。 付記しなくてはならないことがございます。先に記した著者達は、ロシア革命の際、国外追放、或いは亡命を余儀なくされた人々です。実は、私が青年時代、近しく感じたロシアの思索者は、その殆どが、共産主義者により殺戮されたか国外に亡命を余儀なくされたのです。よって、今日ご紹介申し上げました書冊に記されているような考えを持った人々は、現在のロシアでは皆無とは申しませんが、未だ極少数しか存在しないのです。ただし、国外に住む亡命ロシア人たち(共産主義を良しとしなかった人々)の中では、こうした考えはそれなりの影響力を持っています。今後、こうした考えが、ロシア本国の人心の中にも浸透していけば、この仮想敵国も、いま少しは安心できる隣邦になるかと思うのです。 |



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